昨日開催された第9回ジオメディアサミットinG空間WAVEに参加してきました。
午前中開催。朝9:00開場、9:30開始にもかかわらず、最初からたくさんの聴講者の方がいらっしゃいました。
テーマは「これからの「技術」の話をしよう」。今注目の話題が目白押しでした。
【当日のスケジュール(予定)】
09:00 開場
09:30-09:35 開始、主催者挨拶
09:35-10:20 ライトニングトーク7本程度
10:20 休憩(10分)
10:30-11:00 講演1(30分):井口 尊仁(頓智ドット株式会社)
講演タイトル:インタレストをアクションに変換する。セカイカメラ進化系"tab"に込められたメディア再発明のアイデアを初めて語る。
11:00-11:30 講演2(30分):澤村 正樹(NTTレゾナント株式会社)
講演タイトル:位置情報サービス「PinQA」のウラ側(仮題)
11:30-12:30 パネルディスカッション(60分)
■インタレスト+ロケーションで「伝える」tab
講演1つめは、頓智ドットの新製品tabについて。
頓智ドット井口さんの講演を聴講するのは初めて。情熱的なプレゼンテーションで、すっかりtabの世界に引き込まれてしまいました!
「tab」は現実空間をキュレーションするサービスです。
「興味関心を現実に行動できないのは大きな機会損失です!」
まさに。
情報共有から、現実の行動に移したい。
ここは多くの企業やサービスがチャレンジしている大きなテーマです。
「FacebookのLikeは素敵と思った瞬間をすぎると忘れてしまう」 ←あるある。
「foursquareなどチェックインでは新たな行動を喚起しづらい」 ←わかるわかる。
私自身、Facebookの「Like」の裏側に隠れる個人の意識にとても興味を持っています。例えば、私が興味あるイベントに「Like」って押してくれた場合。それは誘っていい合図なのか。それとも私の興味に対する共感なのか。そして、「Like」のその先で起こる何かを生み出せると面白いですよね。
tabは個人のインタレストに位置情報を加えることにより、他の人(友だちやそれ以外の人)にとっての情報との接点とタイミングをサポートしています。
タイミング逃しちゃった。知ってたのに。忘れてた。
そんな誰にでも起こり得るプチがっかりを少しでも減らしてくれるなら、ぜひ使ってみたいですよね。
何より、お散歩にはiPadが欠かせない派にとって、そこに振り切っているのが嬉しいです。
実機を使ったデモで興味をそそられたのは、バードアイビュー。
自分の好きなもの、関心のあるもののバードアイビューは楽しそう。午後に参加した地図ガールのシンポジウムでも、女性が鳥瞰図のようなビジュアルを好むことが取り上げられていました。
具体的にどの緯度経度に情報があって、それが地図の上に・・・ではなく、全体を俯瞰して、「どのあたりに何が」が感覚的にわかるほうが、あっちのほう行ってみようかなという冒険ゴコロをくすぐるのかもしれませんね。
今月末には製品リリース。
目標ユーザーは1年以内に世界中で1億人。きちんと試算した結果とのこと。すごい!
そして、なんと製品リリースに先駆けて、tab APIが公開されました。びっくり!もろもろ制限かけてないそうです。これはぜひ使ってみたいですね。
※頓智ドットの開発者の方が作ったという、tab APIのサンプルも見せていただき、二度びっくり。
■スポットに「ストーリーをもたせる」ことにこだわったPinQA
講演2つ目は、2012年3月、Q&Aサービスからスポット情報まとめサービスへと変化を遂げた「PinQA」。
NTTレゾナント澤村さんの講演です。
以前いただいたプレミアムなステッカーも一緒にパチリ。
ローカル情報の極地性と、そこに隠れる魅力を引き出すことに着目して開発されました。
テキスト中心のQ&Aサービスから、よりエモーショナルなサービスへ。
サービスリリースの際に重視されたポイントはふたつ。
・点から線へ「地図とテキストだけのサービスは愛されない」
・More Emotional「位置をつなぐストーリーとコンテキストで」
眺めるだけでも楽しいビジュアルを目指したとあって、写真や地図が大きく使われています。
各まとめの下には、ルート地図も。
「More Emotional」というキーワード。好きですね。
誰かに教えたい、聞いてほしいという欲求を、情報を引き出す力に変えようとする試みは共感できます。そして他の人のコンテキストがお出かけのきっかけになるサービス、ぜひ作ってみたいです。
ただ、やはりどうしても(どうしても。二度言います)、どのまとめサービスでも、まとめる作業自体が楽しみになりきれていない気がします。負荷が高いというか、プレッシャーがかかるというか。
PinQAや、Yahoo! JAPANの「ワイワイマップ」など、みんなでまとめることもできるというアクションはひとつ解決策にはなりそうですね。
また、澤村さんが提示した課題。エリア名、エリア区分。
まさしく、ジオメディアが乗り越えたい課題です。
距離や範囲は個人の経験によって差が大きく、とても個人的な感覚に依存するものです。地図上で「表参道の範囲を示して」と言っても、趣味や興味、生活範囲などが異なれば、バラバラの境界線を描きます。
「形が柔軟でないと表現できない」とおっしゃっていた部分については、もう少し技術的な解決が必要になるのかなと思いました。
その一方で、情報を受け取る側も、「表参道でおいしいケーキ」と言われても、自分の思う表参道に含まれているか、確認したくなります。そのためにも、発信者が自分と似た距離や範囲などの感覚を持っているかわかるといいですよね。
これからは、趣味嗜好性のマッチングだけではなく、ジオメディア感覚のマッチングも必要?
PinQA講演でも流れた動画はこちら!
■ジオメディアサミットで大喜利!
講演者2名を交えたパネルディスカッション。今回はジオ大喜利でした。
大喜利:ジオを支えるこれからの技術
モデレーター:古橋大地
パネラー:
・高木 悟(KDDI株式会社)
・澤村 正樹(NTTレゾナント株式会社)
・井口 尊仁(頓智ドット株式会社)
・武藤 勝彦(宇宙航空研究開発機構:JAXA)
・河合 太郎(ヤフー株式会社)
・大塚 恒平(ここギコ!)
※下の写真、右からの順番です。
お題が出されると、画用紙に回答を書いて発表します。出題されると、パネラーのみなさまは真剣にマジックを走らせてました。
文章でまとめようとしてみましたが、テキストでは会場の熱気がうまく伝わらない!
というわけで、こちらでは写真で雰囲気をなんとなくご紹介するにとどめます。
・koogawaさんのtogetterへのリンクを貼らせていただきます。臨場感あります!
2012/6/23 #gms2012 第9回ジオメディアサミット in G空間WAVE2012:これからの「技術」の話をしよう
・USTREAMのアーカイブはこちら。
http://www.ustream.tv/recorded/23499109
http://www.ustream.tv/recorded/23499373
http://www.ustream.tv/recorded/23499487
■まとめ
「技術」をテーマに掲げた今回のジオメディアサミット。
コンテンツの企画者に大変興味深い知見がたくさん詰まっていました。
ジオメディアならではの「キュレーション」と「行動喚起」。
個人的にも、ユーザーの行動喚起につながる情報の認知と広がりにとても関心があります。
便利だけじゃなくて、楽しいとか、うれしいとか、そういう感情を引き起こしてぐっと印象に残っていく、そういう体験ができるサービスが欲しいですよね。
引き続き、ジオガールズブログでも、これから誕生するサービスにも注目していきたいと思います。
次回のジオメディアサミットは名古屋。7月27日(金)夕方に名古屋大学にて開催されます。
どんなテーマになるか楽しみです!
Written by Chie (@crispytaffy)
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