先月第8回ジオメディアサミットに参加してきました。
今回のテーマはO2O(Online to Offline)でした。
O2Oとは、ネット上(オンライン)の活動とネット外のリアルな生活(オフライン)を結びつけて、購買やお出かけなどの行動を促すサービスやビジネスのことです。
すでにこの第8回ジオメディアサミットについての記事がいくつかあがっていますので、全体の内容についてはそちらをみていただけるといいと思います。
このジオガールズブログでも「第8回ジオメディアサミットにいってきました」としてまとめてあります。
- チミンモラスイ! : 「第8回ジオメディアサミット」終了!
- 第8回ジオメディアサミット/さらなる無限の可能性へ - 風観羽 情報空間を羽のように舞い本質を観る
- 第8回ジオメディアサミットに参加してきた【鈴木まなみ】 : TechWave
ここでは個人的に印象に残ったパネルディスカッションでの内容を書きたいと思います。
■ 店舗運営者からみたジオメディア
今回のジオメディアサミットのパネルディスカッション(Ustream)は、「店舗運営者からみたジオメディア」というテーマで、店舗を経営されている方や、店舗向けのサービスを提供しいる5名の方が、実際に活用しているサービスや現場で重要なことなどについて話されました。
とてもリアルな内容でしたので、消費者である自分にとっても身近で想像しやすい内容でした。
その中で印象に残った話題が3つありました。
- 売上の1割がSNS経由のお客さん。SNSでお店とお客さんのコミュニケーション度が高まり、常連度があがる。
- O2Oで難しいのは、オペレーションを徹底すること。お客さん、お店のオペレーター(現場)、お店オーナー全員に優しくて簡単な事が重要。
- お店へのチェックインはすべての人がやるような行為じゃない。その他の手段を考えることが重要。
■ 売上の1割がSNS経由のお客さん
現在、TwitterやFacebook、ご自身で立ち上げられたmiilなどのSNSを積極的に活用されている中村さんのお店では、多い時で売上の2割近くまで、平均的には1割程度をSNS経由のお客さんが占めるそうです。1割といういう数字は決して小さくなくて、その1割で黒字になるお店は結構あるのでは?とお話されていました。
ではなぜSNSを活用すると、お客さんが増えるのか。
今までできなかったことでSNSが実現してくれたことは、
- お店にお客さんがいない時でもコミュニケーションできる
- お客さんはお店の人に「ごちそうさま」を、お店の人はお客さんに「ありがとうございます」を伝えられる
それらによって、お客さんとお店の人とのコミュニケーション度を高めることができ、結果的に「またあのお店に行こう」という常連さんを増やすことができるのだそうです。
■ サービス提供者は現場の利用シーンをもっと考えるべき
人によっては1日に何度もその言葉を耳にすると思います。
その現場のオペレーションを継続的に実現させるのは想像以上に難しく、いかにシンプルな手段で実現できるか、サービス提供者はそういう部分もしっかり検討してサービスを設計するべきと上原さんはお話されてました。
これには自分もサービスを考える立場としてはっとさせられました。
現場でどうやってお店の人やお客さんが利用するのか、そこをもっと具体的に想像しながらサービスの内容を考える必要があると感じました。
時には現場の様子をじっと観察したり、お店の方にヒアリングしたりすることも必要で、PCに向かって考えているだけでは実際に多くの人に使われるサービスというのは産まれないですね。
■ チェックインはすべての人がやるような行為じゃない
中村さんのmiilについてのお話の中で、「チェックインはすべての人がやるような行為じゃない。もっと多くの人がやる行為ってなんだろうって考えて、写真投稿にした。」とありました。
たしかに私の知り合いでFoursquareやFacebookでチェックインをしてる人は少ないです。
ユニクロのFacebookのチェックインキャンペーンの時は、ユニクロというとてもメジャーなブランドと割引クーポンという組み合わせによって、ちらほらチェックインしている方もいましたが、それでもまだまだ浸透していないと思います。
そして今後も大多数の人には浸透しない行為なのかもしれません。
なので、メニューの写真を共有することをチェックインの代替手段として、「このお店に行ったよ」を伝えられるようにしたmiilの設計はとても面白いと思いました。
チェックインはあくまでも手段であって目的ではないのに、最近はこのチェックインサービスを作ること自体が目的になっているケースがあるように思います。
そうではなくて、サービスの目的を達成するために最適な手段を考える必要があり、それがチェックインというボタンを押す行為なのか、写真を撮る行為なのか、そういう順序で考える必要がありますね。
■ まとめ
今回のジオメディアサミットに参加して、「オフラインでの接点をオンラインへ、そしてまたオフラインの消費に戻す」という流れは確実に増えつつあると感じました。
すでに、Twitterを介したお店とのつながりからの常連客化や、NFCでの支払いを元にしたデータ分析からユーザーに最適な広告提供そして購入への流れなど、オンラインでの活動はオフラインの消費拡大につながっています。
このオフラインでの接点をどう強化していくか、まだまだ面白いサービスや技術が考えられそうですし、本格的に広まり始めたばかりだと思います。
ユーザーさんが楽しく使えて、社会がより面白くなるようなこの分野での新サービス・技術の登場がとても楽しみです。
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